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  3. #1 八竹 健司 & 谷口 まり子

INTERVIEW #1

グルコレビューで新しい医療を実現するために

医師, MHA(医療管理経営学修士)

八竹 健司

YACHIKU KENJI

大阪大学医学部附属病院、成人病センター(現 大阪国際がんセンター)などで内科医として臨床に従事。その後米国シアトルのワシントン大学にてMHAを取得。帰国後戦略系経営コンサルティングファームのCDIメディカルにて企業向け新規事業プロジェクトなどを経験。2021年12月からProvigateに参画。臨床研究やサポートセンターの企画運営を中心に活動。

看護師

谷口 まり子

TANIGUCHI MARIKO

正看護師として働きながら8つの医療系資格を取得。常に新しい知識と技術を学び続けている。2023年2月からProvigateに参画し、大阪サポートセンター長としてユーザーサポートに当たっている。
正看護師、日本糖尿病療養指導士、循環器病予防療養指導士、心不全療養指導士、公認心理師、日本禁煙学会専門指導看護師、心臓リハビリテーション指導士、ICM認定医療通訳士(英語)

Provigate代表取締役 関水からのメッセージ

皆さん、こんにちは。株式会社Provigateの代表取締役を務める関水です。今日は、当社のサービス「glucoreview®」の開発と運用において重要な役割を果たしている谷口さん(看護師)と、八竹さん(内科医)にインタビューを行いました。このインタビューを通じて、私たちのビジョンや日々の業務内容、そして医療従事者としてのやりがいや未来の展望について共有し、Provigateで一緒に働くことの魅力をお伝えしたいと思います。

メンバー紹介

谷口 まり子さん(看護師)

関水

谷口さんは看護師として、糖尿病のみならず、循環器、心臓リハビリテーションや医療通訳まで、Provigateに参画される前から、医療系の資格を8つも取得されています。なぜここまでたくさん資格をお持ちなのでしょうか。病院勤務と並行して勉強し続けるのはとても大変だったと思うのですが…。

谷口

病院勤務の頃から常に心掛けていたのは、疾患をお持ちの方の心に寄り添うことです。その上で医療のプロフェショナルとして「標準医療の最新情報」をご提供することが大事だと考えています。私は、「自分の担当になってほしいと思ってもらえるエキスパートナース」を目指しています。それは質問に答えられる知識があり、優しくて、採血などの技術も確かな看護師です。そのため日々研鑽し、気づけば8つの資格を取得していました。glucoreviewのユーザー様がお困りのときに正しい情報をご提供できるよう、常に知識をアップデートする努力を今後も続けていきたいと思います。

関水

谷口さんのバイタリティには本当に恐れ入ります…(笑)。Provigateは現状は糖尿病専門ですが、様々な資格は活かされているのでしょうか。

谷口

Provigateは今のところ糖尿病に特化していますが、糖尿病には実際には様々な疾患が関連しています。これまでの経験や知識がProvigateでの製品開発やサービス提供に活かされており、今までの努力に何一つ無駄なことはなかったなと改めて実感しています。週次グリコアルブミン(GA)検査とスマホアプリの組み合わせは、これまで病院勤務をしてきた経験に照らし合わせても、驚きと発見の連続です。

八竹 健司さん(医師)

関水

八竹さんは内科医としてだけでなく、海外留学(医療管理経営学修士)、経営コンサルティング、起業などの経験を経て、Provigateに参画しました。現在は在宅検査とアプリの融合による遠隔ヘルスケア・医療サポートの可能性を追求しています。マルチなキャリアのご経験がある八竹さんから見て、Provigateにはどのような可能性を感じますか?

八竹

通院のみならず、在宅検査とアプリを通じてユーザーと医療者が効率的・省力的に頻繁な接点を持つことで、双方が見落としていた課題を明確化し、適切な解決策を見出すことができる。それがglucoreviewの大きな強みです。

関水

頻繁な接点というところをもう少しお伺いしたいのですが、実際の臨床現場における糖尿病の診療と比べて、glucoreviewはどう違うのでしょうか。

八竹

通常、病院やクリニックの内科医は、数百人から多くて千人以上の患者さんを担当に持ちます。生活習慣病であれば、通院するのは1~3か月に1回程度です。ですから、仮に毎月300人の患者さんが来ると想定すると、月20日外来があるとすれば、1日あたり15人です。外来に充てられる時間が5時間程度とすると、1時間当たり3人、すなわち一人20分です。例えば診察の前には血液検査などをするわけですが、診察室にいる医師は「3か月前に来た〇〇さんのカルテと今日の血液検査の結果を踏まえると…」とわずか数分で診療方針を決定し、実際に問診や検査を行ったうえで、診断と処方までやりきらねばなりません。患者さんが帰宅された後はもうわかりません。本当に薬をきちんと飲んでいるのか、食事療法や運動療法に取り組んでいるかも正直なところほとんどわからない。逆に、患者さんから見れば、医師や看護師と話ができるのは、数か月に1度だけで、しかもせいぜい10~20分です。残りの99%の時間は自分で食事・運動・服薬を上手くやっていかねばならない。自己責任の世界です。医師からも患者さん側からも、とても限定された情報・時間で診療方針が決定されており、さらにモニタリングはほとんど出来ていないのが今日の医療の実情です。

関水

では医療者と患者さんとの接点をもっと増やせばよいのでは…と簡単にはできないのがもどかしいところですよね。

八竹

おっしゃる通り、医療従事者や医療費のリソースの限界から、旧来のやり方のままで量的に増やすのは絶対に無理でしょうね。ですから、テクノロジーの活用が今後ますます重要です。過去20年、特に過去10年ほどはIT技術と医療の融合に注目が高まり、世界中でSaMD(Software as Medical Device)が開発されるようになったのは当然の成り行きです。

しかし、今のところ、ブロックバスター(画期的な効能を持ち世界で数千億円を超えるような売り上げを実現する薬)になるような成功事例はありません。ハイプサイクルでいえば、幻滅期にあると言えるかも知れません。特に生活習慣病領域において、純粋なデジタルアプリだけで行動変容を起こすのは難しいのではないかと、薄々気が付いているのだと思います。一方で、人的なサービスとしての遠隔医療では、世界に大きく成長する例が出てきています。米国のTeladocなどがまさにそうです。しかし、遠隔医療の弱点は、より多くの人に医療を提供するためには、それだけ医療従事者を増やさなければならないことです。スケールが難しくリソースの問題が大きく立ちはだかります。もちろん、既存の医療の効率化にある程度は寄与しますが、既存の医療システムにかなり依存しているため、効率化に限界が有ります。

Provigateのglucoreviewは、現在の医療では取得することができない在宅の平均血糖情報をGAでカンタンに取得し、医療従事者の負担を増やすことなくアプリで行動変容をサポートすることを目指しています。ハード・ソフト・ヒューマンサービスのベストバランスでの融合が、今後の医療に革新を起こすと考えています。

Provigateでの働き方

ハード・ソフトの融合だからこそ広がる可能性

関水

谷口さんは、Provigateに入社されるときに「自分の知識や経験を活かし、病院勤務に比べ、より多くの方の健康に関わりたい」とおっしゃっていました。実際に入社され、glucoreviewのサービス開発・提供を始められてみていかがですか?

谷口

これまでに、臨床研究やパイロット事業に従事してきましたが、glucoreviewにおける在宅の週次GA検査とアプリの組み合わせの可能性は、私の予想をはるかに超えているもので、今でも驚きと発見の連続です。
現在は、遠隔地に住まわれる糖尿病のある方や予備群の方と関わり、GAモニタリングに合わせて、オンライン面談やチャットも活用し、生活習慣の改善をサポートしています。その一つ一つの取り組みがユーザーの方との信頼関係を深め、行動変容を促すきっかけになると実感しています。
どのようなサポートがより効果的に、糖尿病のある方や予備群の方の意識や行動を変えるきっかけになるのか、探求する日々です。Provigateのミッションにもありますが、どの人も行動改善を起こす内なる力を秘めているのに間違いありません。内在する行動変容の力を解き放つために、様々なアプローチや手法の開発をすることは、とてもエキサイティングです。
私は医療者なので、ユーザーの方に向き合う気持ちの強さは、医療機関勤務時も今も変わりません。しかしProvigateでは、医療プロフェショナルだけでなく、デバイス開発チームやアプリ開発チームも連携し、行動変容に集中特化して血糖管理サポートプログラムの開発に向き合ってます。在宅検査とアプリと遠隔医療の融合によって、医療経済的にも合理的なサービスに進化していっていると日々実感しています。

データと行動変容の融合

関水

GAの在宅データを活用し、血糖値の変動をわかりやすく可視化することで、ユーザーも医療者側も改善につなげられるのがglucoreviewの大きな特徴です。実際に臨床研究や郵送サービスを始められて、手ごたえはいかがでしょうか。

八竹

毎週毎週GAデータによって平均血糖が可視化されると、ユーザーの方がご自身でなかなか気づくことのできなかった問題点があぶりだされ、結果として行動変容が引き起こされるということが、臨床研究やリアルワールドデータの解析から徐々に明らかになってきています。血糖に振り回されるのではなく、良いときも悪い時も、因果関係が明確になると、皆さんの中に『自分で血糖をコントロールできている』という意識が芽生え、自己効力感の向上につながっているようです。GAモニタリングは、いわば「毎週の小テスト」のようなものです。臨床研究でも素晴らしい結果が出ており、論文でも発表することが出来ました。

なぜProvigateで働くのか

より多くの方に医療を届ける

関水

谷口さんが、入社する前におっしゃっていた「病院勤務だからこそのもどかしさ」は、今は解消されているでしょうか。

谷口

おっしゃる通り、病院では関われる患者さんの数が限られておりもどかしさも感じていました。しっかりとフォローできるのは、どんなに頑張っても数百人でしょうか。しかし、glucoreviewでは在宅検査データと生成AIなどの最先端のデジタル技術の支援によって、一人の医療従事者が、無理なく効率的に何千人もの方々をサポートできるようになる可能性が有ります。自分のこれまでの経験や知識を総動員し、どのようなバランスでデジタルとヒューマンサービスを組み合わせるのか、日々格闘していますが、徐々に形が見えてきており、将来の展開が本当に楽しみです。一人の医療従事者で、千人、2千人のユーザーを無理なく担当でき、必要な方へ重点的なサポートを提供できるようなシステムが実現すると確信しています。

スタートアップならではのチャレンジ

関水

八竹さんは、臨床・留学・起業・臨床とキャリアを転じ、満を持してProvigateに参画されましたが、ベンチャーで働くことの醍醐味とは何でしょうか。

八竹

病院勤務時には考えられなかったことですが、Provigateでは、ハードウェアやソフトウェア開発のチームと緊密に連携しながら、臨床研究を行ったり、実際のユーザーにサービス提供を行い、日々クオリティデータを蓄積していくことが出来ます。その目線の先には、持続的な医療を実現するイノベーションを見据えています。このダイナミックな過程に自らがどっぷりとコミットできるのがベンチャーの醍醐味です。
医療の大きな課題の一つは、医師や看護師のリソース不足です。特に生活習慣病では数か月に一度の通院の検査結果や問診でどうにかするしかありません。しかし、glucoreviewでは、Provigateが開発した独自のGA検査システムを活用することで、これまで得ることが難しかった在宅の血糖データが「毎週の小テスト」として無理なく簡便に得られるようになりました。これは本人にとっても医療者にとっても目から鱗の非常に大きな材料となります。
さらに、在宅検査やアプリのデータは、この数年で一気にコモディティレベルで利用できるようになったAIと融合することで大きな力を発揮します。これまでは、個々の医療者が通院ベースで目の前の患者一人一人にしか提供することが出来なかった医療が、スケーラブルにより多くの方にご提供できるようになるはずです。ぜひこのダイナミックなプロセスを楽しんでいただける医療従事者の方に、Provigateに参画してもらいたいですね。

八竹 健司

AIなどのソフトウェアだけでなく、測定技術、測定機器というハードウェアも開発するベンチャーだからこそ提供できる、効果的で効率的な医療の姿を模索しています。新しいテクノロジーをどのように用いれば、糖尿病や前糖尿病状態を持つ人達が、より負担がなく、より楽しんで血糖管理ができるようになるか、ということをチームで考えています。臨床経験のある医療者としての考え方やハートをチームにインプットすることも大事だと思っています。

谷口 まり子

これから一緒に働くサポーターの皆さんと共に、血糖管理に関心を持たれている方々に対し、より効果的で最適な支援ができるよう学び続け、成長していきたいと考えています。新しい挑戦に共に取り組んでいただける方のご応募を、心よりお待ちしております!

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